■ 母国小学校再建の夢 (平成12年7月7日(金)東京新聞より)ボラグさんは、日本でいえば人間国宝級の「馬頭琴大師」の称号も受けている馬頭琴奏者の第一人者。国内外での演奏活動で馬頭琴の魅力を広めた功労者で、今では「草原のチェロ」と評されるまでになった。 川崎でのコンサートは、ボラグさんが生まれ育った内モンゴル自治区東部の王家陶布村(ワンジェントウブ)の小学校を改築しよと企画された。川崎市の日中文化交流サークル「わんりぃ」(田井光枝代表)が協力、実現。小学校は築五十年以上が経過し、老朽化で手狭になった上、雨漏りがする個所もあったという。 当初「五百人ぐらい来てもらえれば・・・」と話していたが、予想を上回り、県内全域から約九百五十人が訪れる大盛況だった。ボラグさんは「お金も予想以上に集まり、おかげさまで母校の子どもだちも雨漏りのしない教室で勉強ができます」と満面に笑みを浮かべ、感謝しきり。 チャリティーの収益金は、王家陶布村がある内モンゴルのホルチン地区の名前から「ホルチン基金」と名付けられた。学校全体の再建にはなお二百万円以上かかる。来年二月ごろに再度川崎市内でチャリティーコンサートを開き、「母校だけでなく、内モンゴル全体の学校の子どもたちを助ける活動にまで広げたい」と、ボラグさんらは夢を広げる。 |
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