■ 母校へ贈る「馬頭琴」の調べ (平成12年4月19日(火)読売新聞より)中国・内モンゴル自治区出身で民族楽器「馬頭琴」の演奏家、チ・ボラグさんによるチャリティーコンサートが五月二十日、川崎市麻生区の麻生市民館大ホールで開かれる。収益は、同自治区ホルチン地区の王家陶布村(ワンジェントウブ)にある、チさんが卒業した小学校の新校舎建設費用に充てられる。 チさんは「馬頭琴」演奏の第一人者。その優れた演奏は“草原のチェロ”とも称され、日本の人間国宝にあたる「馬頭琴大師」の称号を受けている。日本ともなじみが深く、1984年以来毎年のように日本公演を続け、国内の交響楽団とも共演している。 王家陶布村は、人口約840人。チさんの母校では現在、約180の子供たちが学んでいるが、屋根はわらぶき、外壁は土を固めただけの建物のため、雨漏りなどで苦労しているという。 資金不足で新築計画が進んでいないことを知ったチさんがチャリティーコンサートを計画、川崎市や町田市周辺の市民でつくる日中文化交流市民サークル「わんりぃ」(田井光枝代表)が協力して実現することになった。収益は、校舎の新築に必要とされる約400万円の一部に充てるという。 当日は、チさんが作曲した「スーホの白い馬」「心の詩」「モンゴルの子守歌」などを演奏。チさんの長男で東京芸大大学院生のブルグッドさんも共演する。ブルグッドさんは「子供たちが良い環境で教育を受けられるよう手助けをしたい」と話している。 |
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